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運鈍根(undonkon)

2026-01-05

有名な話だがスプラトゥーンには、妙に中毒性のある音楽が流れている。

特にスプラトゥーン3のサーモンランで流れる「運鈍根(undonkon)」という曲について調べてみたら、曲の一部分で10/8拍子から始まって1小節ごとに拍子が増えていき、最終的に25/8拍子まで到達するパートがある。

普通じゃない拍子

昔ピアノを習っていたころに履修した程度だが、普通の音楽は4/4拍子だったり3/4拍子だったりする。分母が4で、分子が小さい整数。まあわかる。

でもスプラトゥーン3の「運鈍根」は違う。10/8拍子から始まり、11/8、12/8、13/8…と1小節ごとに8分音符が1つずつ増えていき、最終的に25/8拍子に到達する。

つまり、18小節で構成されたパートで、拍子が離散的に変化していく。

ちなみに第nn小節の拍子を表すと

9+n8(n=1,2,,16)\frac{9 + n}{8} \quad (n = 1, 2, \ldots, 16)

となっており、BPM\text{BPM}が一定だと仮定すると、第nn小節の長さ(秒)は

Tn=60BPM9+n8T_n = \frac{60}{\text{BPM}} \cdot \frac{9 + n}{8}

である。曲全体の長さは等差数列の和として

Ttotal=60BPM18n=116(9+n)=602808BPM=2100BPMT_{\text{total}} = \frac{60}{\text{BPM}} \cdot \frac{1}{8} \sum_{n=1}^{16}(9 + n) = \frac{60 \cdot 280}{8 \cdot \text{BPM}} = \frac{2100}{\text{BPM}}

となる。

制限時間との同期

この曲は、ゲーム内の制限時間と同期してるっぽい。拍子が増えていくことで、1小節あたりの時間が伸びていく。結果として、音楽のテンポ感が加速していくように感じられる。曲の途中でいつ途切れても終われる工夫もしている?

サーモンランの緊迫,混沌は、この変則的な拍子の数学によって支えられている部分も大きい。

設計の妙

プロダクト、特にゲーム音楽の作曲家はプレイヤーが意識しないレベルで設計に構造を埋め込んでいる。それがユーザー体験の質を決定的に左右する。

8/10から25/8へと増加していく拍子を選んだ理由は分からないが、そこにはそんな意図があったはず。


次にサーモンランをプレイするとき、拍子を数えながら聴いてみたい